演題

PS-125-4

多臓器合併en block resectionを要した19kg脂肪肉腫の1例より学ぶ,multi-organ skilled surgeonの必要性

[演者] 加藤 容二郎:1
[共同演者] 久都内 慶子:1, 頓所 展:1, 矢嶋 淳:2, 森 一郎:3, 高橋 克仁:4, 寺岡 慧:1
1:国際医療福祉大学三田病院移植外科, 2:国際医療福祉大学熱海病院移植外科, 3:国際医療福祉大学三田病院病理部, 4:国際医療福祉大学三田病院肉腫センター

近年、外科医の臓器別専門化が進み、更には鏡視下手術による低侵襲手術も進んできたが、臓器・器官をまたいで伸展する腫瘍の手術を行うには、胸腔内・腹腔内臓器のみならず、頸胸部、後腹膜臓器、泌尿生殖器、大血管・血管系手術にまで精通している必要がある。過剰にリスクを懸念するあまり、手術適応の縮小、もしくは縮小手術を行い、生命予後、生活の質を悪化させるようなことがあってはならない。当院当科では、各種臓器の臓器移植、organ procurementの知識・技術を活用し、年間40件弱の腹部骨盤部・後腹膜肉腫関連手術を行っているが、その中で、国内最大級19kgの脂肪肉腫をen blockに安全に切除しえた1例を経験したので、その症例を参考に、multi-organ skilled surgeonの必要性およびその育成法について検討したい。
【症例】34歳男性【主訴】腹部膨隆【現病歴】来院3か月前より急に腹部膨満が強くなり近位受診。CTで脂肪肉腫が疑われ、2病院を経由し、当院当科へ紹介受診となる。【初診時現症】身長:175cm、体重:73kg、腹部膨隆、弾性軟。心窩部付近に弾性硬の腫瘍を触知。【手術】腫瘍摘出、拡大左半結腸切除、膵体尾部切除、脾臓摘出、胃大彎側部分切除、左腎摘出、左横隔膜部分切除術施行。手術時間9時間00分、出血量3227ml、輸血量1960ml。【病理組織学的診断】脱分化型脂肪肉腫、高分化型脂肪肉腫。【術後経過】一時腸閉塞を発症したが保存的加療にて軽快し、術後47日目に退院。退院後、約1年弱かけ、体重が51㎏から63㎏まで徐々に増加し、再びサッカーの試合に出場できるまで全身状態も改善した。
【考察・結語】各臓器・器官をまたぐ腫瘍は、微妙な切離ラインの設定や、継時的にダイナミックに術野の変更が必要になることもあり、各臓器別の多チーム編成での手術も可能だが、多臓器手術に熟練した外科医のチームで手術を行うことでが望ましく、各種臓器手術の経験に富んだ外科医の育成が望まれる。
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