演題

PS-024-4

腹腔鏡下虫垂切除術を施行した壊疽性虫垂炎における術後腹腔内膿瘍形成の危険因子の検討

[演者] 秋重 尚貴:1
[共同演者] 井上 亨悦:1, 嶋 健太郎:1, 上野 達也:1, 後藤 慎二:1, 高橋 道長:1, 内藤 広郎:1
1:みやぎ県南中核病院外科

【背景】近年、急性虫垂炎に対する手術療法として腹腔鏡下手術が広く普及しているが、術後の合併症の一つとして腹腔内膿瘍がある。術後腹腔内膿瘍形成に関して、どのような術前の臨床症状や検査所見、術後経過が危険因子となるかを検討した報告は少ない。そこで、術後腹腔内膿瘍形成の予防と早期発見を目的として、危険因子を検討した。【対象と方法】2008年4月から2017年8月までに当院で腹腔鏡下手術を施行した急性虫垂炎のうち、手術所見もしくは病理所見が壊疽性虫垂炎であった132例を対象とした。術後に発熱や腹痛などの症状を呈し画像検査により膿瘍を認めた症例、またはドレーンから膿性排液の流出を認めた症例を膿瘍形成群と定義し、患者背景と臨床所見、検査所見を後方視的に比較検討した。【結果】膿瘍形成群は20例、非膿瘍形成群は112例であった。年齢、性別などの患者背景や来院時の臨床所見、術前CT検査における虫垂径や糞石の有無、手術時間は、両群に差は認めなかった。単変量解析では、術前の末梢血白血球数(16.4±0.98 vs 13.8±0.41(10^3/μL), p=0.016)、術前の血清CRP値(11.5±1.7 vs 6.2±4.8(mg/dL), p=0.006)、術後1日目の血清CRP値(19.8±1.5 vs 13.8±0.65(mg/dL), p=0.0004)に有意差を認めた。ロジスティック回帰分析による多変量解析では、術後1日目の血清CRP値>15.48が独立した予測因子であった(オッズ比:14, 95%CI:2.94-66.1, p=0.0009)。【考察】腹腔鏡下虫垂切除術を施行した壊疽性虫垂炎において、術後1日目の血清CRP高値が術後腹腔内膿瘍形成の危険因子であった。術後膿瘍形成の危険性が高い症例では、術後管理に注意を要する。
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