演題

不妊治療専門施設初診時の葉酸摂取状況

[演者] 村林 奈緒:1
[共同演者] 山口 和香佐:2, 宮野 奈緒美:2, 野坂 舞子:2, 宗 修平:1, 俵 史子:2
1:浜松医大, 2:俵IVFクリニック

【目的】妊娠前からの葉酸摂取は胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減させる効果があることが知られ,2000年から厚生労働省もサプリメントでの葉酸摂取を推進している.しかし我が国の二分脊椎の発生率は減少せず,原因の一つとして葉酸の情報提供が十分に浸透していない可能性が指摘されている.今回,不妊治療専門施設における葉酸サプリメント摂取状況について検討を行った.【方法】2017年6月~8月に挙児希望で当院を受診した初診患者を対象とし,葉酸サプリメント摂取の有無,妊娠前からの葉酸摂取推奨および葉酸による神経管閉鎖障害予防の理解について問診を行った.【成績】対象患者は210人で,葉酸サプリメント摂取率は53.3%であった.妊娠前からの葉酸摂取推奨を知っていた割合は摂取群が97.1%,摂取なし群は88.2%で摂取群が有意に多く,葉酸摂取が神経管閉鎖障害に対し有効であることを知っていた割合も摂取群が52.9%,摂取なし群は35.3%で摂取群が有意に多かった.【結論】我が国で妊娠前の葉酸サプリメント摂取率についての大規模調査は行われておらず,妊娠初期の摂取率は70-80%と報告されている.今回の調査では,対象が妊娠に対する意識が高い集団であったにも関わらず初診時の摂取率は53%にとどまっていた.葉酸についての知識が摂取率を向上させる可能性が示唆された.当院では初診時に葉酸摂取の必要性についての情報提供を行っており,妊娠成立時の葉酸摂取率はほぼ100%,開院以来10年間で神経管閉鎖障害症例は0件である.不妊治療施設は情報提供の恰好の場であると考える.
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