発表

1A-062

ポジティブ心理学に基づくPERMA-V Scale in HDBの開発

[責任発表者] 德吉 陽河:1
1:ポジティブ心理カウンセラー協会

【目 的】
 ポジティブ心理学にはSeligman(2011)が提唱した持続的な幸福を目指したPERMAモデルが提唱されている。PERMAとは,P(Positive emotion:ポジティブ感情),E(Engagement or Flow:積極的な関わりまたはフロー),R(Relationship:良い人間関係),M(Meaning:人生の意味や意義),A(Accomplishment:達成)の接頭語をまとめた持続的幸福感おモデルである。さらに,最近では,The Flourishing Center(2016)が,PERMAモデルにVitalityのVが追加したことからPERMA-Vモデルも活用されている。本研究では,そのPERMA-Vモデルに基づいた尺度を作成することにした。その際に,時間の制約がある講義やワークショップで利用することを想定し,また,尺度の利用者に負担がないようにするため,各尺度において3項目で構成された短い尺度の開発を検討した。3項目の構成には,L‘Abate(1986)が提唱したHDBモデルを採用にすることにした。HDBモデルはシステム(機能・関係性)に基づいて構築されたものであり,Being(あり方,価値感),Doing(行動),Having(資質,スキル)で構成されている。このHDBモデルは,認知・行動・資源に関わり,自己成長システムにも関わっている。PERMA-Vは持続的な繁栄に関わることから,自己成長システムに関わるHDBモデルに基づいて尺度を構成することにした。

【方 法】
 調査参加者: 5518名(男性2754名,女性2764名),平均年齢29歳,9.8歳(SD= 9.8)。WEB調査で実施した。調査の許可に同意した者のみ分析を行った。調査対象者は,調査の研究への許可および正しく回答を宣告した者,回答されたデータから,16歳以上を選択した。重複や明らかに不適切な回答をしているものを除いた。
質問票の構成 質問票は,フェイスシート(性別,年齢),PERMA-V Scale in HDB(PVSH), ビックファイブに関わる尺度で主に構成された。PVSHは6因子18項目,各3問,5件法で構成されている。

【結 果】
 確認的因子分析 想定した6因子について,最尤法に基づく確認的因子分析を行ったところ,適合度はCFI=.91, TLI=.88, RMSEA =.102, 90%CI(.100, .102)であった。
項目分析と性差 各因子について項目分析(平均値±1SD)を行なったところ,天井効果,底効果は認められなかった。
性差を確認するため,各因子の合計点についてt検定を実施したところ,Positive Emotion,Relationship,Vitalityにおいて,有意差が認められた(いずれも,p<.05)。しかし,差における効果量を確認すると,Cohen's d値において,いずれも11以下であり,小さい効果量であった。
内的整合性 PVSHの各因子におけるクロンバックのα係数は.78以上であった(Table 1)。
項目反応理論 想定した4因子にて,ノンパラメトリック項目反応理論(NIRT)であるMokken Scaling Analysisを行ったところ,PVSHの各項目における Hi係数は.50以上であった(Table 2)。

【考 察】
 確認的因子分析の因子負荷量やRMSEAは除く,適合度は高い値であった。クロンバックのα係数が.79以上であり,NIRTによる結果も高い値が示された。各因子の性差は,効果量が小さく,大きな差は見受けられなかった。以上から,PSVHは尺度として利用できる可能性が示唆された。妥当性の検証においては,PSVHとビックファイブ尺度との関係性については,Positive Emotionが外向性,情緒安定性,開放性と正の相関が認められた。Engagementは,外向性,誠実性,開放性と正の相関が認められた。Relationshipは,外向性,協調性,開放性などと正の相関が認められた。Meaningは,外向性,誠実性,開放性と正の相関が認められた。Attachmentは,誠実性と開放性との間で正の相関が認められた。Vitalityは,外向性,誠実性,開放性と正の相関が認められた。

キーワード
ポジティブ心理学/尺度開発/項目反応理論


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