発表

1B-048

顔魅力における横顔と正面顔の関係性およびEラインが横顔魅力に及ぼす影響

[責任発表者] 山内 健司:1,2
[連名発表者・登壇者] 反田 智之#:1, 前澤 知輝:1, 河原 純一郎:1
1:北海道大学, 2:日本学術振興会

目的 我々は魅力の高いモノに惹かれる。人間の顔も同様で,高魅力な顔は注意を強く引く(Valuch et al., 2015)。高魅力の要因として,平均性(Trujillo et al., 2014)や左右対称性(Little, 2014)の高さが知られている。顔魅力に関するこれまでの研究は,主として正面顔を扱っており,横顔からアプローチした事例は少ない。Gu et al. (2017)は,横顔と正面顔で魅力に正の相関があることを報告したが,実際の顔画像ではなく合成画像を用いていた。また,欧米人の顔がベースで,被験者も欧米人であったため,日本人の横顔と正面顔の魅力を日本人がどのように知覚するかはまだ解明されていない。そこで,本研究では,日本人の実際の顔画像を用いて,日本人を被験者として,横顔と正面顔の魅力の関係性を検討した。また,横顔の魅力の要因としてEラインが知られている。Eラインとは,鼻先と顎先に接する直線のことで,唇の先端がEラインよりも顔の外側に突き出ないことが理想的とされている(Rickets, 1957)。そこで,Eラインと唇の位置関係と横顔魅力の関係性も併せて検討した。
方法 実験参加者:男性138名,女性138名の計276名の大学生または大学院生が参加した。
 刺激:男性148名,女性127名の大学生または大学院生を正面,右,左の3方向から撮影した顔画像を用いた。
 実験デザイン:顔画像の性別(男女)×顔画像の方向 (正面,右,左)の6条件を設けた。1条件につき,参加者を46名(男性23名,女性23名)割り当てた。
 手続き:参加者は,画面に呈示された顔画像の魅力を1(魅力的ではない)から100(魅力的である)の範囲で評定スケールを用いて評価した。
 分析: Eラインと下唇の先端との距離を求めた。下唇がEラインよりも顔側に引っ込んでいる場合を負の値,顔と反対の外側に突き出ている場合を正の値として算出した。実験者3名がそれぞれ横顔画像に対して,鼻先,顎先,下唇の3点の座標を抽出し,距離を算出し,それらを平均した。
結果 全6条件においてデータの正規性がシャピロウィルク検定により確認された(男性正面,p = .77; 男性右,p = .74; 男性左,p = .07; 女性正面,p = .05; 女性右,p = .07; 女性左,p = .09)。男性顔における正面と右(r =.69, p < .01),正面と左(r =.67, p < .01)および,女性顔における正面と右(r =.59, p < .01),正面と左(r =.61, p < .01)に正の相関がみられた。また横顔の魅力とEラインと唇の距離との関係は,男性顔においては,右と距離(r =-.37, p < .01),左と距離(r =-.39, p < .01)ともに負の相関があった。一方,女性顔においては,右(r =-.17, p = .05)も左(r =-.08, p = .39)もEラインと唇の距離との間に有意な相関はみられなかった。
考察 本研究は日本人の実際の顔画像を刺激として,日本人被験者が魅力を評定した結果,男女顔ともに横顔と正面顔の間に正の相関が確認された。つまり,横顔の魅力が高い顔は正面から見ても魅力が高く知覚される傾向が示された。また,男性顔においては,下唇がEラインよりもより顔側に近い方が,魅力が高くなる傾向が観察され,Eラインと唇の位置関係が横顔の魅力の一因であることが示唆された。一方,女性顔においては横顔の魅力とEラインと唇の位置の相関関係が認められなかった。その要因としては,本実験では,顔画像を撮影した女性の化粧を制限していなかったため,目などの化粧が横顔魅力に影響を及ぼした可能性がある。今後,横顔魅力に影響を及ぼすEライン以外の要素の解明が求められる。また,Eラインと下唇の距離関係は,相関のみならず,最も魅力が高くなるような最適な位置関係の算出が望まれる。更に,同性および異性からの評価に差があるかどうかも検討の余地がある。

キーワード
顔魅力/横顔/Eライン


詳細検索