発表

2A-031

青年期を対象としたストレスマネジメント3技法の効果比較
動作法・イメージ療法・認知行動療法に焦点を当てて

[責任発表者] 上倉 安代:1
[連名発表者・登壇者] 清水 良三:2
1:筑波大学, 2:明治学院大学

目 的
 青年期に対するストレスマネジメント教育の活用は途上にあり,各技法の効果比較の研究は見当たらない。各技法間では,介入期間に幅があり,例えば,青年期を対象とした認知行動療法 (以下, CBTとする) では5~7回の介入を要するのに対し,動作法は,2回の短期的介入による効果が示されている。他方,イメージ療法は,自己との安全な直面を促すイメージ体験を通してストレス反応の低減が望める手法であり,その効果の検討が望まれる。よって,本研究では,青年期を対象とし動作法,CBT,イメージ療法によるストレスマネジメント教育を1回実施し,これらのストレス反応の低減,心身統合度と本来感の向上における効果を比較検討する。
方 法
研究協力者 大学生と専門学校生 計85名 (男性7名, 女性78名/平均年齢 23.13歳, SD = 7.45) 。動作法実施群 (女性31名/平均年齢20.74歳, SD = 5.85) , イメージ療法実施群15名 (男性3名, 女性12名/平均年齢20.87歳, SD = 0.50), CBT実施群39名 (男性4名, 女性35名/平均年齢25.90歳,SD = 8.89)。
手続き 臨床心理士が, 各群に対して動作法, イメージ療法, CBTをそれぞれ用いたストレスマネジメント教育 (講義15分間, 技法の体験45分間)を実施した。動作法実施群では, 数種の動作課題を各10分程度各自で行った。イメージ療法実施群では, 集団壺イメージ描画法の変法体験を, CBT実施群では, ブレインストーミング, 認知再構成法, アサーションを各自行った。
指 標 新しい心理的ストレス反応尺度 (鈴木ら, 1997; SRS-18) 18項目4件法, 心身の統合に関わる自己感覚尺度短縮版 (上倉, 2018;以下, 統合尺度とする) 16項目4件法, 本来感尺度 (伊藤・小玉, 2005) 6項目5件法。講義開始時 (Pre) と各技法体験後 (Post) に実施した。
倫理的配慮 研究協力者に対して, 口頭にて研究協力は自由意志により, 協力の有無が成績評価には影響しないことを説明し, 協力可能な者は匿名にて質問紙に回答してもらった。
結果と考察
 SRS-18と心身統合尺度得点の推移をFigure 1, 2に示した。SPSS vers.24を用い群を独立変数, 各尺度の各因子Pre得点とPost得点の差 (変化量) を従属変数とした一元配置の分散分析を用い多重比較と効果量の算定を行った。
 その結果,3技法によるストレス反応軽減効果は, 0.16, 心身統合度向上効果は, 0.14と高い効果量を示したが,本来感の向上効果は認められなかった。3技法の効果比較を行った結果 (Table1) ,CBTと比べて動作法は,【不機嫌・怒り】と【抑うつ・不安】の低減および【心身における自己存在感】の向上に,動作法とイメージ療法は,【無気力】の低減と【心身におけるリラックス感】の向上に効果的であった。また,動作法はCBTと比べて,【心身における不調和感】を改善しうる可能性が示された。
 よって, 動作法とイメージ療法は, 身体やイメージを通じて安全な自己への直面を促すとともに,心身の統合度を向上させることを通じて,ストレス反応を低減する効果があると考えられる。今後は, 各技法における対象者数と性別の均等な割り付けとフォローアップ効果の検討が求められる。
引用文献
伊藤正哉・小玉正博 (2005) . 自分らしくある感覚 (本来感) と自尊感情がwell-beingに及ぼす影響の検討. 教育心理学研究, 53, 74-85.
上倉安代 (2018) . 心身の統合に関わる自己感覚尺度短縮版の開発. 日本臨床動作学会第26回学術大会発表論文集, 50-51.
鈴木伸一他 (1997) . 新しい心理的ストレス反応尺度 (SRS-18)の開発と信頼性・妥当性の検討. 行動医学研究, 4 (1), 22-29.

キーワード
青年期/ストレスマネジメント/効果比較


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