発表

2D-011

パーソナリティタイプの違いによる“LINE”利用の差異

[責任発表者] 岡本 香:1
[連名発表者・登壇者] 齋藤 瞳:1
1:東京福祉大学

目 的
 岡本・齋藤(2018)において,既読スルー問題に着目して,“LINE”利用とパーソナリティの関連を検討した結果,LINE利用目的尺度3因子およびLINE既読スルー態度尺度3因子とエゴグラムの5因子の間にそれぞれ有意な弱い相関が認められた。
 そこで本研究では,エゴグラムを用いたパーソナリティタイプの違いによる“LINE”利用の差異を検討することを目的とした。
方 法
 調査協力者は,日本人高校生および大学生684名であった。
 調査方法ならびに調査に用いた尺度は,岡本・齋藤(2018)と同様であった。
結 果
 エゴグラムのタイプ分類 桂式自己成長エゴグラム(桂・芦原・村上,1991)で得られた5因子(CP, NP, A, FC, AC)の得点について,エゴグラムタイプロジックにしたがって,CP優位型,NP優位型,A優位型,FC優位型,AC優位型の5タイプに分類した。その結果,CP優位型97名,NP優位型82名A優位型52名,FC優位型103名,AC優位型184名,計518名となった。そしてこの5タイプに分類された調査協力者のデータを以後の分析対象とした。
 パーソナリティタイプの違いによる利用目的の差異 パーソナリティタイプの違いによる利用目的の差異を検討するため,エゴグラムの5タイプを独立変数,利用目的尺度3因子(岡本・齋藤, 2018)それぞれの因子に含まれる項目得点を合計したもの従属変数とした1要因分散分析を行った。パーソナリティタイプ別各因子の得点を表1に示す。分散分析の結果,第Ⅱ因子「日常生活でのやりとり」に有意差が認められた(F(4,513)= 7.381, p<.001)。そこでTukey法による多重比較を行った結果,CP優位型とNP優位型との間,CP優位型とFC優位型との間,NP優位型とA優位型との間,A優位型とFC優位型との間,FC優位型とAC優位型との間に有意差が認められた(順にCP優位型<NP優位型, CP優位型<FC優位型, NP優位型>A優位型, A優位型<FC優位型, FC優位型>AC優位型, いずれもp<.05)。
 パーソナリティタイプの違いによる既読スルー態度の差異 パーソナリティタイプの違いによる既読スルー態度の差異を検討するため,エゴグラムの5タイプを独立変数,既読スルー態度尺度3因子(岡本・齋藤, 2018)それぞれの因子に含まれる項目得点を合計したもの従属変数とした1要因分散分析を行った。パーソナリティタイプ別各因子の得点を表2に示す。分散分析の結果,第Ⅰ因子「既読スルーをされる相手についての理解」と第Ⅲ因子「既読スルーが生じた原因についての理解」において有意差が認められた(順にF(4,513)= 2.491, F(4,513)= 2.503, いずれもp<.05)。それぞれについてTukey法による多重比較を行った結果,いずれもFC優位型とAC優位型との間に有意差傾向が認められ,FC優位型よりもAC優位型の方が高い得点である傾向が示された。
考 察
 利用目的尺度得点の有意差が認められた点については,情報伝達目的の利用よりも,LINEというツールを使った「日常生活でのやりとり」自体を楽しむというようなコンサマトリー性の高い利用目的においてパーソナリティタイプの違いによる差異がみられることを示しているといえる。加えて厳格さや客観性や順応性が高いパーソナリティタイプよりも,寛容さや自由さが高いパーソナリティタイプの方がよりコンサマトリー的な利用目的でLINEを利用していると推察された。
 一方,既読スルー態度尺度得点の有意差が認められた点については,自分が感じたことを優先するようなパーソナリティタイプよりも,協調性や妥協性が高く,周囲の反応を気にするようなパーソナリティタイプにおいて,相手や状況に理解を示そうとする傾向のあることが示唆されたといえよう。
引用文献
 桂戴作・芦原睦・村上正人 (1991). 自己成長エゴグラムのすべてSGEマニュアル チーム医療
 岡本香・齋藤瞳 (2018). 大学生のSNS利用とエゴグラムの関連 日本心理学会第82回大会発表論文集,184.
その他
 本研究は,JSPS科研費26590133の助成を受けた。

キーワード
CMC/SNS/エゴグラム


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