発表

2C-013

不確実性と恋愛プライミングが魅力評価に与える影響

[責任発表者] 小野 由莉花:1
[連名発表者・登壇者] 及川 昌典:1, 及川 晴:1
1:同志社大学

目的
本研究は,不確実性と恋愛プライミングが魅力の評価に与える影響を検討することを目的とした。我々は,意図や理由が不明確な状態に注意を向けやすく1,また,恋愛に関するプライミングを与えられた状態では,恐怖による生理的覚醒を,目の前の異性によって生じていると誤帰属する2。これらの知見から,不確実性に注意が高まった時,恋愛に関するプライミングがあれば,魅力的な他者に注意が高まっている,と誤帰属され,相手の魅力の評価に影響を与える可能性がある。本研究では,意図が不確実なメッセージと恋愛に関連するプライミングにより,不確実性に対する注意の高まりが,送り手に対する注意に誤帰属され,魅力が高く評価される,という仮説を検証した。 

方法
参加者 大学生161名(女性99名,男性62名; 平均年齢
19.89歳(SD=0.97)) 
実験デザイン 2(メッセージ:明確vs.不明確)×2(恋愛プライミング:ありvs.なし)2(性別:男性vs.女性)の,3要因8水準の対応のないデザインであった。 
手続き 参加者は,見知らぬ学生からメッセージカードとチョコレートを受け取る,というシナリオを読んだ。シナリオの下部には,受け取ったメッセージカードが掲載されていた。その後,シナリオに登場した学生の魅力について,1(全く魅力的でない)から9(非常に魅力的である)の9件法で回答したさらに,想定した学生の性別についても回答した。 
 メッセージの操作 メッセージカードには,「頑張るあなたへ」「チョコっと一息」「The Smile Society」というメッセージと,架空のSNSアカウントが掲載されていた。明確群のカードにのみ,カードを配る理由を明確にする目的で,「新年度応援キャンペーン!!」というメッセージが掲載されていた。
 恋愛プライミングの操作 恋愛プライミングあり群では,メッセージがすべてピンク色で書かれ,「チョコっと一息」の末尾には,ハートマークが付加されていた。なし群では,メッセージはすべて緑色で書かれ,「チョコっと一息」の末尾には,クラブマークが付加されていた。

結果と考察
 本研究の目的は,不確実性への注意が,恋愛プライミングによって誤帰属され,相手の魅力が高く評価されることを確かめることであった。対応のない3要因の分散分析を行ったところ,有意な二次の交互作用が認められた(F (1,152) = 6.91, p<.05, η2p = .04) 。不確実なメッセージを受け取った群において,恋愛プライミング×性別の単純交互作用が有意であり(F (1,153) = 5.57, p<.05),恋愛プライミングあり群の男性(M = 5.80, SD = 2.82)は,同じくあり群の女性(M = 3.17, SD = 1.93)や,なし群の男性(M = 2.82, SD = 3.13)よりも,シナリオに登場した学生の魅力を高く評価していた(Figure 1)。また学生の性別の想定について,χ2検定を行った。不確実なメッセージを受け取った恋愛プライミングあり群の男性は,シナリオに登場した学生を女性であると想定する傾向にあり,男性であると想定する傾向が少なかった(ps<.05)。 
 本研究の結果から,男性は恋愛プライミングンの影響を受けやすく,不確実性に対して高まった注意を,異性の魅力に対する注意であると誤帰属することが示唆された。男性は配偶におけるコストが少なく,パートナー選択において身体的魅力を重視するために,女性よりも相手を配偶者候補として捉える傾向が高いと考えられる。 

引用文献
1Wilson & Gilbert (2008). Explaining Away A model of affective adaptation. `Perspective on Psychological Science, 3, (5), 370-386.
2Dutton, D.G., & Aron, A.P. (1974). Some evidence for heightened sexual attraction under conditions of high anxiety. Journal of Personality and Social Psychology, 30, (4), 510-517.

キーワード
恋愛/ツァイガルニック効果/対人魅力


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