発表

2B-016

美しい/素敵な/魅力的な女性像の比較
─日本人若年女性はどのように表現を使い分けているのか─

[責任発表者] 山田 雅子:1
1:埼玉女子短期大学

- - - - - - - - - - - 目 的 - - - - - - - - - - -
 先行研究においては,若年日本人女性における美しさの評価因子として<心づかい><プロポーション><清潔感><自己の確立><整った顔>が抽出され1),また,年齢の変化によって美しさの重視点が変化することも確認された2)。その一方で,特別感が高く,日常の褒め言葉として好まれない等,「美しい」という表現の持つ特殊性も明らかとなった3)。本研究は,「美しい」他,評価的表現により喚起される女性像を捉え,表現間の比較を行うことを目的とした。

- - - - - - - - - - - 方 法 - - - - - - - - - - -
対象:関東在住の日本人女子学生87名(平均19.04歳)
方法:質問紙調査
調査内容:回答者が抱く女性像(美しい/素敵な/魅力的な)および回答者自身について,過去の調査結果に基づく32項目の各要素がどの程度当てはまるか選択させた(全く当てはまらない」「ほとんど当てはまらない」「あまり当てはまらない」「やや当てはまる」「かなり当てはまる」「非常に当てはまる」の6段階より選択)。また,各表現を用いたくなる女性が身近にいるか否かについても回答を求めた。

- - - - - - - - - 結 果 と 考 察 - - - - - - - - - -
1)総合点による各女性像の比較
 適合度を示す各段階に1~6の点数を充て,回答の集計を行った。32項目の総合点(32~192点)を一元配置分散分析により検定した結果,表現(3水準)の主効果が有意であった(F(2, 259)=8.05, p<.01)。多重比較検定により,「美しい女性」が他の二者よりも有意に総合点が低いことが確認された。「美しい」に比して,「素敵な」「魅力的な」のような表現の方が多面的な高評価を必要としていることが分かる(Figure 1参照)。
2)対象者自身の自己像と各女性像のずれ
 対象者自身の自己像と各女性像との差を算出し(女性像-自己像),32項目のずれの総合点について一元配置分散分析により検定した結果,表現(3水準)の主効果が有意であった(F(2, 251)=3.85, p<.05)。特に「素敵な女性」と自己像との違いが大きいことが統計的にも明らかとなった。
3)因子分析に基づく各女性像の比較
 前述の処理により数値化した各評定に対し(対象者自身の評定を除く), 因子分析(斜交法プロマックス回転)を行った結果,5因子が抽出された(累積寄与率54.85%)。それぞれ<活発さ><美貌><品格><抜け感><快活さ>と名付け因子得点を算出したところ,Figure 2が得られた。因子得点に対する一元配置分散分析の結果,<品格>を除く4因子については表現(3水準)の主効果が有意であることが確認された。三者を比較した場合,「美しい女性」は<美貌>が特に際立っており,<快活さ>が問われないことが特徴,「素敵な女性」は<活発さ><快活さ><抜け感>がある一方で,<美貌>が問われないことが特徴,「魅力的な女性」は<快活さ>が然程求められず,他の因子についても中程度に関わるこが特徴といえる(Figure 2参照)。
4)各表現に適う身近な存在の有無
 身近にそう表現したくなる女性が「いる」との回答は,「美しい女性」について約39%,「素敵な女性」について約58%,「魅力的な女性」では約31%であった(Figure 1参照)。「素敵な」との表現は,総合点も自己像とのずれも三表現中で最高であったにもかかわらず(1)および2)参照),身近に当該表現に適した人物がいるとの回答者が半数以上を占めたことになる。評価基準がより厳しいということは身近な人物としては存在しにくいことが考えらえるが,身近な存在があるからこそ,より基準が明瞭になり,自身と「素敵な女性」との差異が強く実感されたことが考えられる。

- - - - - - - - - - 引 用 文 献 - - - - - - - - - -
1) 山田雅子(2015)日本人若年女性が抱く美的価値観の因子構造. 埼玉女子短期大学研究紀要, 32, 61-75.
2) 山田雅子(2018)日本人女性が抱く美しい女性像の年代間比較. 日本心理学会第82回大会発表論文集, p.
3)山田雅子(2018)日本人若年女性が抱く女性美の探索的調査(1). 埼玉女子短期大学研究紀要, 38, 23-36.

キーワード
魅力/女性/美しさ


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