発表

2A-014

フラストレーション場面での内的反応としての感情と性格の関係について

[責任発表者] 大村 壮:1
1:常葉大学短期大学部

《問題・目的》 日常において,感情をコントロールすることはとても多い。感情のコントロールに関しては,主に感情労働の文脈やアンガーマネージメントなどの文脈で研究されてきた。また感情をどのように表出するのかについて,性格がどの程度,関係しているのかといったことはあまり検討されていないといえるだろう。また人が感情を表出する際,状況や文脈がどの程度関係しているのかについてもあまり検討されてこなかったのではないだろうか。そこで本研究では,P-Fスタディのように絵を用いてフラストレーションを感じる場面を提示し,それに対する内的な反応を対象者に自由記述で回答してもらうことで,さまざまな状況や役割のなかで人々がどのような感情を抱くのかということと性格類型がどのような関係にあるのかについて検討する。
《方法》 調査協力者 T短期大学本科・専攻科学生63名。手続き 調査協力者を募り,協力者にアンケート用紙を配布し,後日,回収した。調査項目 YG性格検査。下記のような図版(仕事場面の例)を用いて,「あなたが文句を言われている人だとします。あなたは相手に対してどんなことを思いますか」と尋ねた。場面は仕事場面(8種類),公共場面(4種類),自宅場面(5種類),計17つである。
《結果①》 内的反応についての自由記述の整理
P-Fスタディの解釈を元に内的な反応に関する自由記述を「他責的反応」,「自責的反応」,「無責的反応」というアグレッションの方向に分類した(Table1-3)。
Table1. 仕事場面の結果
%
他責的反応 61.08
自責的反応 29.90
無責的反応 9.01
Table2. 公共場面の結果
%
他責的反応 68.65
自責的反応 25.79
無責的反応 5.56
Table3. 自宅場面の結果
%
他責的反応 69.76
自責的反応 17.14
無責的反応 13.10
《結果②》 YG性格検査による性格類型
対象者たちのYG性格検査の性格類型は以下の通りである(Table4)。
Table3. YG性格検査性格類型
%
平均(A)型 11.11
不安定不適応積極(B)型 28.57
安定適応消極(C)型 15.87
安定積極(D)型 19.05
不安定不適応消極(E)型 25.40
《結果③》 内的感情反応と場面ならびに性格との関係
内的感情反応に影響を与える要因として,3つの場面で違いが出るか,そして性格類型が内的感情反応に関係するのかについて検討した。その結果,性格類型によって内的感情反応に違いは見られなかった。また場面によって内的感情反応に違いが見られた。具体的には「他責的反応」は「仕事場面」がもっとも少なかった。「自責的反応」は「自宅場面」がもっとも少なかった。そして「無責的反応」は「公共場面」がもっとも少なかった。「仕事場面」,「公共場面」では「他責的反応」>「自責的反応」>「無責的反応」であり,「自宅場面」では「他責的反応」もっとも多かった。
《考察》 性格類型によって内的感情反応に違いがなかった。これまでの研究(大村,2018)から,性格類型と感情表出とも関連がなかった。その一方,場面による違いは見られた。しかしそれは感情表出とも違う結果であった。このことから,内的感情反応と感情表出は違うメカニズムである可能性が示唆される。また場面による違いが見られたことから,内的反応にも社会的影響が関係していることが示唆される。今後はフラストレーションをもたらす原因の違いによって影響が見られるか検討する。 (OMURA , So)
キーワード:フラストレーション,感情反応,性格
Key Words:frustration, emotional reaction, personality

キーワード
フラストレーション/感情反応/性格


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