発表

1D-008

長期配偶相手と短期配偶相手および同性友人に望む条件

[責任発表者] 沼崎 誠:1
[連名発表者・登壇者] 天野 陽一:1, 松崎 圭佑:1, 中井 彩香#:1
1:首都大学東京

【問題】 沼崎・天野・松崎・中井(2018)は,配偶形態と個人差を考慮に入れれば,配偶者獲得動機が社会的判断や行動に影響を及ぼしうることを見いだしている.本研究では,沼崎他(2018)の配偶者獲得動機のプライミング手法として実施した長期配偶相手と短期配偶相手に望む条件の自由記述を再分析し,長期配偶相手および短期配偶相手の違いや,男女差を検討した先行研究と比較をし,配偶者獲得動機のプライミング手法として有効であったのかについて検討した.
【方法】 参加者 都内公立大学男女大学生137名(男性47名,女性90名). Mage = 19.07 (SD = 1.14).
手続き 同性の実験者が,2名から18名まででの同性のみの集団で質問紙実験を行った.長期配偶条件では「結婚生活を送りたい有名人」,短期配偶条件では「抱きたい/抱かれたい有名人」,統制条件では「友人になりたい同性の有名人」を2名挙げさせ,特徴を4項目リストアップさせた.
【結果と考察】 4項目の自由記述に全て無回答であった14名を除き123名を分析の対象とした.Table 1に示したコード表を作成した.上位コードとして『身体』『性格』『身体性格両方』『社会経済的地位』『関係』『家庭』を,下位コードとして28コードを設けた.項目ごとに下位コードに基づきコード化を行った.2人がコーディングを実施し,不一致な項目は2人で協議をして決めた.KH coderを用いて(樋口, 2014),参加者ごとの回答のコードを1dataとして(最大4つのコード),【男性vs. 女性】×【長期配偶vs.短期配偶vs. 同性友人】の6カテゴリーを外部変数として,各条件の特徴語分析,対応分析を行った.
 全体および各条件のコードの出現頻度はTable 2に示した.特徴的な点として,1) 全ての関係で男女間での顕著な差は,「温かい」が女性の方が多く出現した.2) 長期的関係では,『関係』に関わるコード,特に,「類似」「気楽」「楽しい」の出現率が高かった.3) 友人関係では,男女間に差が小さく,男女とも「尊敬」コードが多く,男性においては「相補」コードが,女性において「不干渉」コードが多く出現した.4) 長期配偶関係では,男女ともに「愛情客体」と『家庭』に関わるコードの出現率が高いが,男性においては「美しい」コードが,女性においては「経済」「社望」コードが多く出現した.5) 短期配偶関係では,男女ともに『身体』『身体性格両方』に関わるコードの出現率が高いが,男性においては,「セクシー」「身体(その他)」コードや「女らしい」コードが,女性においては「力強い」「男らしい」コードが多く出現した.さらに,女性においては「愛情主体」コードの出現率が高かった.
 対応分析を行ったところ(図は発表当日),【男性:友人】と【女性:友人】は近いところに布置され,『関係』に関わる「類似」「相補」「楽しい」「気楽」「不干渉」や『性格』に関わる「知性」「自律」「尊敬」といったコードとの関連が深かった.【男性:長期配偶】は,【男性:友人】【女性:友人】の近くの中央に布置された.【女性:長期配偶】は上記3カテゴリーに近いが,『家庭』に関わる「子ども好き」「家事」「家庭」や『社会経済的地位』や「作動高」と関連が深かった.【男性:短期配偶】と【女性:短期配偶】は他のカテゴリーとは離れて布置され,『身体』や『身体性格両方』のコードとともに布置されていたが,両方のカテゴリーに関連するコードは「清潔」「美しい」であり,【男性:短期配偶】は「女らしい」「身体」「セクシー」と【女性:短期配偶】は「力強い」「男らしい」と『関係』に含まれる「愛情主体」コードと関連が深かった.
 本研究での自由記述の分析の結果は,性的戦略理論や先行研究の知見とほぼ一致する.このことは,沼崎他(2018)で用いた配偶プライムの操作が,長期配偶プライムと短期配偶プライムとして有効であったことを示唆する.
【引用文献】 沼崎・天野・松崎・中井 (2018). 日本社会心理学会第59 回大会発表論文集, 240. / 樋口 (2014). 社会調査のための計量テキスト分析 ナカニシヤ出版

キーワード
短期配偶/長期配偶


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