発表

2C-061

短大女子学生へのキャリア教育活動
テキスト分析を用いて

[責任発表者] 信太 寿理:1
[連名発表者・登壇者] 浅沼 裕治#:1
1:中京学院大学

●目的
 近年,高度の技術革新や経済状況,社会環境などの急激な変化により,個人の生き方については選択の自由度が拡大している。しかし,どのような生き方を選択するのかということについて,個人が社会の変化に直ちに対応できるとは限らないということである。社会の変化の影響には気が付いていても,変化に対応するすべや方法をもちあわせていなければ,結果的には変化の波に飲み込まれてしまう可能性を指摘している(渡辺, 2009)
 また,なかでも女性はその変化が大きく,渡辺(2009)では,日本でもキャリア形成支援がもっとも急務な対象者は成人女性であるとしている。その理由として,現在の成人女性は,女性の歴史の中でもっとも変動の大きい中にあり,多様な生き方を選択する可能性が拡大する中で,従来のロールモデルが役に立たず,新たな生き方を実践するための準備が不十分にも関わらず,自己責任で生き方を選ばざるを得ないからである。また,キャリア形成支援は,教育,指導,支援などの外部からの働きが不可欠であるということも述べている(渡辺, 2009) 。
 安井(2007)では,キャリアとは多様な意味を持つが,キャリア教育という用語が用いられる場合,藤田(2003)の「一生における歩み,あるいは一生の間に行う行為の総合的な課程」が広義の意味であるとされている。つまり,キャリア教育は,職業選択だけではなく,一生の生き方や選択を指すものと考えられる。
 上記のように,キャリア支援へのキャリア教育は非常に重要なものである。そのため,近年では,大学でも組織的に,または授業の一環としてキャリア教育支援を行う大学も増えている(川瀬・辻・竹野・田中, 2006; 安井, 2007)。特に,女性のキャリア支援・キャリア教育は重要なものであることが考えられ,教育機関としても支援をしていく必要があるだろう。
 本学では,キャリア教育の足掛かりとして,学生自身に自分の将来やキャリアプランについて考えてもらう機会とするために,多くの人生選択(仕事,結婚,出産)を終えている方をゲストスピーカーとして講演をして頂いた。
 そこで,本研究ではその効果や変化について,講演後に記入した自由記述についてのテキスト分析から明らかにしたい。
●方法
 キャリア教育に関するゲストスピーカーの講演を聞いた後で,自由記述で感想を求めた。ゲストスピーカーは,お子さんを伴って来て頂き,ご自身の仕事や結婚,出産などについてお話頂いた。時間は60分程度であった(質疑応答など除く)。
 対象は短期大学部に所属する学生68名(女性60名, 男性7名,不明1名;平均年齢21.16歳, SD=5.74)であった。社会人学生も含む。
●結果と考察
 集められた自由記述について,計量テキスト分析を行った。計量テキスト分析とは,樋口(2014)が提案した質的データを分析するためのツール・方法であり,テキストマイニングの技術を活用しつつ,内容分析の分野における蓄積をいかしたテキスト型データ分析の方法である。計量テキスト分析は,KH Corderというソフトウェアを使用することにより,速やかに,視覚的にもみやすい形で出力されるものである。
 図1にあるように,「思う」「考える」「自分」という語の抽出が多くみられ,またそれぞれの関連性もあることから,今回の講演を聞いて自分のことについて,思考する傾向が示唆された。
 また,ゲストスピーカーが話した転職や出産などについての言及も見られ,自分と将来生じる可能性のあるイベントについて重ね合わせて考えるような結果も見られた。
 本研究から,キャリア教育によって学生達の内面に何らかの変化が生じた可能性が示唆された。渡辺(2009)が示すように,キャリア形成支援は,教育,指導,支援などの外部からの働きが不可欠である。そのため,今後は,より数量的にもキャリア教育の効果について検討していきたい。
↓以下 表1.抽出語と出現回数,図1.テキスト分析結果

キーワード
短大学生/キャリア教育/青年期


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