発表

ITL-003

感情が運動行為に与える影響

[講演者] 吉江 路子:1, [司会者] 繁桝 算男:2
1:産業技術総合研究所, 2:慶應義塾大学

 他者とのコミュニケーションの中で生じる感情は,私たちの行動にさまざまな影響を与える。中でも,音楽の公演やスポーツの試合などの社会的評価場面において喚起される「パフォーマンス不安(緊張・あがり)」は,運動行為の遂行に悪影響を与え得るため,多くの人々を悩ませている。講演者は,自身が人前でのピアノ演奏中に緊張した経験に動機づけられ,パフォーマンス不安のメカニズムを探る研究に取り組んできた。本講演では,まず,ピアノ奏者を対象とした質問紙調査や心理生理学的計測によって,パフォーマンス不安に関わる心理・生理学的要因を検討した一連の研究を紹介した後,パフォーマンス不安の背後にある脳内メカニズムを検討した脳機能イメージング研究を紹介する。
 感情は,運動行為の遂行だけでなく,その知覚にも影響を与える。講演者は,「自分の運動行為によって,外界に結果が生じた」という感覚である行為主体感に着目し,感情の影響を探る研究に取り組んできた。本講演の後半では,他者の反応の感情価やその予測が行為主体感に与える影響を検討した心理物理学的研究を紹介する。
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