発表

3D-070

幼児の食と睡眠に関する健康教育 (1)
睡眠と食行動に関する時刻データで幼児を分類する

[責任発表者] 福田 一彦:1
[連名発表者・登壇者] 長谷川 智子:2, 赤松 利恵#:3, 吉井 瑛美#:3, 川端 一光:4, 今田 純雄:5
1:江戸川大学, 2:大正大学, 3:お茶の水女子大学, 4:明治学院大学, 5:広島修道大学

目 的
文部科学省が推進する「早寝早起き朝ごはん」は一定の成果をあげているが,それでも日本の子どもは世界でも有数の夜更かし朝寝坊の状態であることに変わりはない.また,食育という考え方は国民に広く浸透しつつあるが,食育の中には食事の時刻についての指針は含まれていない.しかし,問題となる朝ごはん欠食は,夜更かしや朝寝坊の結果として生まれていると考えられるので,晩御飯などを何時に食べて何時に眠るのかは,子どもの健康を考える上で非常に重要な要因であると考えられる.実際,子どもの睡眠と日中の症状の間には密接な関連が認められる(Fukuda & Ishihara, 2002).最近,我々は約1000世帯の未就学児を持つ家庭の生活習慣について調査し,夜型化が進むほど,子どもの様々な心身の状態が悪化し,さらに,平日と休日の生活習慣が大きいほどその症状はさらに悪化することを見出した(Fukuda et al., 2019).

方 法
手続き:インターネット会社に登録されている子どもをもつ核家族の25~44歳の女性のサンプルからランダムに抽出された者を対象にインターネット調査への参加依頼をEメールにて配信した.調査項目の冒頭において,主に子育てをしている者が25 ~44歳の核家族の母親であること,子どもの人数が1~3名であり,3~5歳児が最低1名いること等10項目のスクリーニングを実施した.本調査については,調査対象者がスクリーニング通過後,すべての質問に回答した者が次の時点で調査を終了した.すなわち,3~5歳児各年齢群で保育園(こども園の保育園児相当も含む)群・幼稚園他群(こども園の幼稚園児相当含む)の6群を設定し,最少人数の群が300名に達した時点とした.3~5歳児に子どもが2名以上いる場合は,その中でもっとも年齢の低い子どもについての回答を求めた.調査期間は2018年12月11~24日であった.
調査対象者:すべての質問に回答した1,925名のうち回答に不備がない1899名を分析対象とした(有効回答率98.65%).母親の平均年齢は,35.75歳(SD= 4.32)どもの平均月齢は61.41カ月(SD=10.35)であった.
質問項目:質問項目は,母子の生活時刻,子どもの行動,母親の行動,母親,父親,家族に関する社会的属性等に関する大問41項目から構成された.本報での分析対象となる項目は,子どもの食事と睡眠の時刻変数と子どもの日中の症状に関する項目であった.評定は4件法または5件法であった.
分析対象:子どもの食事と睡眠に関する生活時間に関する変数のみを用いてクラスタ分析(クラスタ分析, Ward法)を行い,幼児を分類した.分析にはSPSS ver. 25.0を用いた.

結 果 と 考 察
クラスタ分析の結果,幼児は4つの異なるクラスタに分類された.Cluster 1は,早寝早起きで規則正しい群(早寝規則),Cluster 2は時刻は標準的でそれほど不規則ではない群(標準規則),Cluster 3は時刻は標準的だが不規則な群(標準不規則),Cluster 4は時刻も遅く不規則な群(夜更かし不規則)と考えられた(Fig. 1).これらの4つの群の間で,子どもの症状や母親の様々な特徴を比較した.その結果,「朝の機嫌の悪さ」「風邪の引きやすさ」「新奇性恐怖」など心身の状態は不規則化するほど,また夜型化するほど悪化したが,症状により,位相の後退とより関係するもの(朝の機嫌の悪さ等)と不規則化と関係するもの(体調不良・注意散漫など)があると考えられた.

謝辞: 本研究の一部は平成30年度科研費補助金基盤研究 (B) (17H01952) の助成をうけた.
利益相反: 本研究に関して公表するべき利益相反はない.
倫理審査: 本研究の実施にあたり,本研究の計画は大正大学研究倫理委員会の承認を得た(18-007).

引 用 文 献
1) Fukuda, K. & Ishihara, K. (2002). Routine evening naps and night-time sleep patterns in junior high and high school students. Psychiatry and Clinical Neurosciences, 56: 229-230.
2) Fukuda, K. & Hasegawa, T., Kawahashi, I., & Imada, S. (2019). Preschool children’s eating and sleeping habits: Late rising and brunch on weekends is related with several physical and mental symptoms. Sleep Medicine, (in press).

キーワード
食事時刻/睡眠/幼児


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