発表

SS-060

「変化する知覚」の諸相―視知覚・嗅知覚の時間変動に関する知見から―

[企画代表者,司会者] 境 敦史:1, [企画者,指定討論者] 小松 英海:2, [企画者] 増田 知尋:3, [話題提供者] 新井 哲也:4, [話題提供者] 小川 緑:5
1:明星大学, 2:慶應義塾大学, 3:文教大学, 4:神奈川大学, 5:筑波大学

 知覚を「物理的刺激によって引き起こされる生理学的過程の結果」と見なすと,知覚は個体に封入された主観像と捉えられ,知覚研究の関心は物理的刺激と主観との齟齬や両者の関数的関係にのみ集中してしまう。
 これに対して,アリストテレス,ブレンターノ,ギブソンのように,生きて環境に働きかける可能性を備えた身体(生活体)と環境との関わりを知覚と捉えることで,(1)環境は他者と共有されているので,知覚を主観像と見なしたり,知覚を客観的世界の中で生じる主観と見なす考えを克服できる。さらに,(2)知覚が「環境との,刻々と変化する関わり」である限りにおいて,変化を知覚の本質と見なす視点(過程存在論)が必然的に招来される。本シンポジウムでは,知覚の時間的な変化に関する視知覚と嗅知覚の領域における知見の紹介を承け,知覚を「共有される環境における行為・過程・関係」と見なす視点から,知覚研究の新たな展開を探りたい。
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