発表

L-018

運動野のGABA濃度と関連する自閉スペクトラム症の発達性協調運動障害

[講演者] 梅沢 侑実:1, [司会者] 井手 正和:1
1:国立障害者リハビリテーションセンター研究所

自閉スペクトラム症(Autism spectrum disorder:ASD)者の約8割が抱える発達性協調運動障害(Developmental coordination disorder:DCD)では,手先の不器用,姿勢の保持などで困難を示す。この原因として,運動の内部モデルの獲得や,模倣動作に関わる神経基盤の障害などが提案されてきた。しかし, ASD者の実生活で見られる運動障害の神経生理機序は明らかでない。本研究では,抑制系の神経伝達物質であるGABA濃度をMR Spectroscopyを用いて運動関連領野を対象に測定し,DCDのアセスメント(BOT-2)との関係を検討した。その結果,運動野を中心とした脳領域のGABA濃度が高いほど,アセスメントの総合得点が低い傾向があった。この傾向は,特に筋力と機敏性に関わる下位スコアに関して顕著であった。本研究の結果から,運動野における高いGABA濃度が筋出力を過度に抑制することが,ASD者において全身運動に関係する障害の一因となる可能性が示唆された。
詳細検索