発表
SS-098
社会的情報の神経心理学 ー「共生」のあり方を探るー |
神経心理学の多くの研究事例では脳損傷に伴う心理機能の低下に焦点があてられているが、知覚の過敏性と脳機能の過剰な亢進の関係を探ることよって脳と心の関係の理解を深めてきた研究も存在する。また、近年では脳機能イメージング研究との融合も進んでいる。本シンポジウムでは社会的な情報が寄与する課題場面とその神経基盤に焦点を当て、ヒトにとっての社会的情報の意味とその利用や制御の可能性、また個人特性との関連について議論することを目的とする。シンポジストからは、社会的な要因が報酬や罰の記憶促進効果に与える影響[中央大・重宗]、社会的関係性が記憶に与える影響[理研(AIP)・杉本]、社会的情報の感受性についての神経基盤[国リハ研・渥美]について話題提供を受けた上で、個人特性(発達障害)[国リハ研・井手]およびデザイン学の視点[筑波大・小山]から指定討論を行ない、社会的な情報をもとにした「共生」のあり方を探る。